管理職に勇気を ~ 組織の活力を取り戻すために

組織が、経営者が意図するとおりに活動できるようになるためには、そして組織がもともと持っている能力や“強み”を発揮するためには、管理職やリーダーが有効に機能する必要があります。しかし、管理職やリーダーが持つ、公式的組織に裏打ちされる地位やタイトルだけに頼ることは限界に来ています。今管理職やリーダーに必要なものは勇気です。

管理職自身が「変わる」こと

管理職の役割は単に業務の指示を一方的に出すことだけではありません。現代の組織は変化し、複雑になっています。一方的な指示だけではメンバーは自分らしさを発揮できず、また自分の体験やアイデアを上司にフィードバックできず、どんどん活力を削がれていってしまいます。そのような状態の組織に生命を吹き込むためには、管理職が以下のようなことを意識し、チームを鼓舞し、新しいアイデアを促進し、困難な決定を下す必要があります。

勇気を持つ

管理職も、その職位である前に1人の「ひと」です。だから本音も建前も、虚栄心も不安もあります。そこで不安が勝ってしまうと、管理職は部下に対して「自分はすべてわかっている」、「自分の指示に従えば問題は生じない」と言う「フリ」をしてしまいます。

しかしこのやり方はいつか必ず失敗します。そのようなフリをする管理職にも、その指示に従う部下にとっても、ストレスが溜まるばかりで良いことは何一つありません。
だから必要なことは、管理職が「まず等身大の自分を認め、それを部下に伝える」勇気を持つことです。「等身大」と言うと、小さくなってしまう、縮こまるイメージを持つかもしれませんが、必ずしもそうではありません。できることはできる、できないことはできない、ただそれを認めるだけのことです。

管理職やリーダーがこのような自己開示をすることで、それまで「上司と部下」という外圧の関係性だったものが、「人間同士」という自分たちで決定可能な自律的な関係性へと変化していきます。そのような人間同士の結びつきが、仕事に創意工夫をもたらし、困難を共に乗り越えようとするモチベーションをもたらすのです。

いま、管理職やリーダーにはいくつかの「勇気」が必要です。上記は「自己開示する勇気」です。他にも例えば「自分を知る勇気」、「相手の話を聴く勇気」、「学ぶ(捨てる)勇気」などが求められます。

自分自身と向き合う

勇気の源泉となるものの一つは、自分を知ることです。管理職やリーダーは自分自身をよく理解し、自己認識を高めることが重要です。例えば自分の“強み”やパーソナリティを探求することにより自己認識を深め、それらを自分自身や組織の利益に活かす方法を見つけることができます。そうなれば管理職は自信を持ち、部下や他のメンバーにもそのアプローチを提案することができるようになります。

チームに対するエンパワーメント

部下は管理職の言動を通して、組織を観ています。管理職の言動に信念や正当性、そして共通のビジョンや目的・目標が見いだせなければ、部下は「ただ言われたことに従うだけの存在」となってしまいます。

組織に生命を吹き込むために、管理職は自分の行動と態度を通じてチームメンバーを感化し、明示的・暗黙的なメッセージを自分が発していることを意識し、それをコントロールすることが必要です。


組織に生命を吹き込むためには、管理職に勇気が求められます。逆に、勇気を持てず停滞したままの管理職が存在する組織は必ず疲弊していきます。管理職が勇気を持てるようになることで、組織はこの変化と混乱の時代への挑戦権を初めて得ることができると言えるかもしれません。

管理職やリーダーが勇気を持てるようになることについてご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ・ご相談よりご連絡ください。