弊社は特に、組織における管理職やリーダーの方々に対し、「勇気」を持っていただきたい、自分は勇気を持つに値する存在なのだということを認識していただきたい、と願い、その支援に力を入れています。
この記事では、勇気とは決して「八方まるく収める」ためのものではないということを、数年前のベストセラー『嫌われる勇気』を題材としてお話しします。
なぜ「嫌われる」ことになるのか
『嫌われる勇気』では、他人からの評価や期待にとらわれすぎず、自分の信念と価値観を尊重し、それらに基づいて実際に行動することが大切だとしています。つまり、相手や周囲の人からの期待を優先するのではなく、「何よりもまず自分はどうありたいか」を自分自身で正しく認識し、それに基づく具体的な言動をするべきだということです。
もちろんこれにより一時的には他者との意見の不一致や衝突のリスクが生じます。しかし本当の自分を隠し、意に沿わないことに耐え続けたとしても、それは結局苦しく、生きづらさを感じ続けることに他なりません。
だから一時的な不和や混乱を承知の上でまず自分を優先する、というのが嫌われる理由です。もちろん嫌われて終わりではなく、その覚悟を持って他者と接し、本音を語り合った上で協働することによって真に良い関係性を築き、より良い未来を思い描くことができるようになるという考え方です。アサーティブなかかわりとも言えますが、本書ではこれが本当の幸福の始まりだとしています。
組織内であなたが優先していることは?
組織に所属するあなたの優先順位は何でしょうか?例えば会議の場で疑問を感じたり反論したくなることがあったとき、あなたはどう行動するでしょうか?
率直に自分の意見を語れる人もいますが、多くの場合それは職位が上の人であることでしょう。職位という防具を備えていない一般のメンバーは、さまざまな不安から「自分の身を守る」ことを優先しがちです。我々は組織で過ごす上でいくつもの不安を抱えています。例えば以下のようなものです。
- 上司のいる前では自分の意見を言わない(「立場をわきまえていない」と思われる不安)
- 他のメンバーが何も言わないから自分も言わない(「空気が読めない」と思われる不安)
- 理解できないと言ったら馬鹿にされそう(「無能なやつ」と思われる不安)
この不安という感情を実務よりも優先させてしまうことで、業務には差し障りが生じますし、自分の心も傷つきます。後になって「あのとき思ったことを言っておけばよかった」、「わかったふりをせず聞いておけばよかった」などと思ったことは誰でもあるはずです。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは要するに「心理的安全性が脅かされている状態」でもあります。そう捉えると不安が生産性と直結していることが理解しやすいですよね。
このように不安が組織の、そして個人の力を削いでいます。この状況を打開するためには勇気が必要です。しかも「嫌われる勇気」が。
嫌われる勇気を持つために必要なことは?
「相手からどう思われるか?」を気にせずに言いたいことが言える条件とは何でしょうか?
もちろん人によって異なるのでしょうが、多くの場合それは「自信が持てているとき」ではないでしょうか。例えば入社したての新人に仕事を教えるとき、大人が子どもに社会のルールを教えるときなどは、相手から否定的な反応が返ってくるかもしれないなどとは思いもしないでしょう。
自信が持てれば細かいことに過剰に反応しなくなるようになり、結果的に他者に優しくなり、相手の話に率直に耳を傾けることができるようにもなります。自信は自分を適正にコントロールするための鍵なのです。
そして自信を持つために必要なことは、自分の“強み”を正しく知ることです。卑下することなく、過信もせず、正しく「自分ができていること」や「自分が他者よりも優れていること」を認識できれば、自分の能力や実績を自分で認められるようになります。自己効力感とか自己肯定感と表現することもできるでしょう。
勇気への道はまずそこからです。
不安から攻撃的になったり、または消極的になってしまう人はとても多いように感じます。しかしその不安はどこから来ているのでしょうか?自分の中で勝手に芽生え、自分でその不安を育てて大きくしてはいませんか?
コーチングは「本当は自分はどうしたいのか」、「いま自分が行うべきことは何なのか」などを対話を通じて見出し、実際の行動へつなげていく特殊な技術です。またストレングスファインダーは、自分の“強み”を客観的に理解し、そして認識するきっかけを作り出してくれる分析ツールです。
コーチングやストレングスファインダーを活用し、ぜひ「“自分らしく嫌われる”勇気」を手に入れてみませんか。
- 仕事の場で自分らしく振る舞うことができない
- 言いたいことが言えずストレスを感じている
- 自信が持てず、やりたいこともわからない
- もっとみんなを助けてあげられる管理職・リーダーになりたい
- 前に踏み出す勇気が欲しい
このような願いをお持ちの方、このような考え方にご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ・ご相談よりご連絡ください。