Hogan Assessmentsは誰でも好きなときに受検できるわけではありません。米国Hogan Assessments Systems社から認定を受けた代理店または認定コーチから発行される受検用IDが必要です。
例えばストレングスファインダーはオンラインクレジットカード決済により、いつでも誰でも受験し、レポートを入手することが可能です。なのに、なぜHoganAssessmentsは受検に手間がかかる仕組みとなっているのでしょうか。
この記事では、Hogan Assessmentsレポートの特徴を踏まえ、自由に受検できない理由を紹介します。
レポートの誤解や誤用を防ぐため
なぜこのような仕組みにしているかというと、Hogan Assessmentsレポートは慎重に解釈する必要があるからです。
その理由は大きく2つあります。ひとつは「レポートのスコアが誤解されやすいため」、もうひとつは「レポートを読む”だけ”では、却って思考や行動の変容を阻害するリスクが生じるため」です。
誤解されやすい理由
レポートのスコアが誤解されやすい理由は、各評価項目が全て定量的にスコア表示(1〜100のパーセンタイル表示)されることによります。人間の心理として「数字の大きいものが”優れている”、小さいものは”劣っている”」と捉えがちですので、何の専門知識や予備認識が無ければ、レポートを一見して安堵したり落ち込んでしまうことになります。
しかしHoganAssessmentsレポートが示すスコアは「”自分”の行動傾向」の単なる数値でしかなく、肝心なのは「その数値が、実際に自分が他者創り上げている人間関係にどのように関わっているか」を考察することです。安心したり落ち込んだりするのは、その数値と人間関係の関連性を正しく認識してからにするべきでしょう。
思考や行動の変容を阻害する理由
そして思考や行動が固定されてしまうリスクがあるとする理由です。これはコーチングが有用である理由と同じなのですが、人間はひとりでは「自分が見たいものを視たがる・自分の視点からものごとを視がち」な生き物だからです。
レポートの記述の切り口は多種多様です。ニュートラルな気持ちで精読すれば、何か決まったイメージを固定的に植え付けようとするのではなく、さまざまな可能性を提示していることに気付くことができるはずです。しかし上述のとおり人間は見たいものを視たがる生き物であるため、もともと自分自身に対して持っている劣等感や納得感などを再認識させる記述ばかりが目に入ってきてしまうのです。
ですのでレポートを受け取り、それを自分1人で読んだだけでは「私はやはりこのような人間なんだな」という認識を持つだけ、もともと持っている自己認識を裏付ける要素だけを取り入れるだけ、で終わりとなってしまいます。それでは高い受検料を払う意味がありませんし、かえって行動変容を阻害してしまうことにつながりかねません。もったいないどころか有害となってしまうかもしれないわけです。
認定コーチと行うコーチングが前提
上記の理由によりHoganAssessmentsは、そのレポートを適切に活用していただくために必ず代理店や認定コーチと接点を持つ仕組みとなっています。つまりHoganAssessmentsは認定コーチによるプロファイリングセッション、そしてコーチングを受けることを前提としているツールなのです。
もちろんプロファイリングセッションやコーチングには費用がかかります。しかしそれだけの投資を行う価値があるツールでもあります。
「ポジティブも・ネガティブも」がクライアントの自己認識を揺さぶる
HoganAssessmentsは自分の価値観(MVPI)と自分の日常における習慣的な行動がもたらす結果(HPI)の相関性を分析し、主に成功体験の因果関係やその応用方法についての洞察を深めるコーチングを実現します。
さらにHoganAssessmentsが持つレアな機能である「高ストレス状況下における自分の行動が、他者からどう見られているか」(HDS)について分析することにより、主に失敗体験の原因やその回避方法についての洞察を深めるコーチングも可能です。
ストレングスファインダーに代表されるように性格分析ツールはポジティブな面にフォーカスするものが多いので、プロファイリングセッションやコーチングセッション、特にチームコーチングは笑い声が多く、笑顔に終始することが珍しくありません。
しかしHoganAssessmentsはポジティブだけでなくネガティブな自己理解を深めることを目的とするため(もちろんクライアントのご要望次第ですが)、クライアントが感情的になったり殻を閉ざそうとすることもあります。実はその状態そのものがコーチングポイントでもあるのですが、レポートを読んでいただくだけでその状況を創り出すことができる極めてパワフルな性格分析ツールなのです。
パワフルであるが故に、使い方を間違えてはいけない。これもHoganAssessmentsが自己完結できる仕組みとなっていない理由です。
あなたは自分が思うとおりに常にふるまえていますか?
あなたの行動がもたらす結果はあなたが意図したものになっていますか?
経営者や管理職など他者をとりまとめる立場であれば、自分の行動が他者からどのように視えているかを把握しておくことは極めて重要です。
- 自分の組織やチームは会話が少ない
- 自分が主催する会議はメンバーの発言が少ない
- 自分の組織やチームは離職者が多い
- 自分の組織やチームの心理的安全性が気になる
このような悩みや懸念をお持ちの方、HoganAssessmentsご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ・ご相談よりご連絡ください。