「都会から地方へ移住した理由」〜私の場合

私、髙橋 洋は東京都世田谷区から静岡県の函南という街に移住しました。移住後しばらくは東京の会社に新幹線通勤し、やがて退職して弊社を起業することになるのですが、それらの話はまた別の記事でお話しします。

今回は「なぜ私は都会から地方へ移住したのか?」その理由のお話です。私には都会を出たい理由と、地方に行きたい理由が両方ありました。

生い立ちは?

私はこれまでの人生で10回以上転居しているので、大まかに生い立ちを紹介します。
生まれは東京都港区北青山です。幼い頃は外苑前を練り歩くデモ隊の催涙ガスが家まで漂ってきていたとか。そのせいで慢性気管支炎になったと母が言っていました。

小学校入学直後に父の仕事の都合でフィリピンで過ごすことになりました。1〜2年生はマニラのアメリカンスクールと日本人学校をかけ持ちで通うことになりました。

帰国後はいじめに遭いました。日本語のイントネーションはおかしいくせに、英語の発音はネイティブっぽく、算数はまったく付いていけない。異質だった私は同級生からはじき出され、教師からも「面倒くさい存在」として扱われました(大人になってから母から聞いた話ですが、面と向かってそう言われたそうです)。
おかげで登校拒否になり2回転校し、最後は「幼稚園や一緒に入学した仲間がいる青山の小学校に戻りたい」と私が懇願し(記憶はありませんが…)、いろいろと工夫して元の小学校に入学し、ようやく落ち着くことができました。

その後は東京の公立中学→公立高校→国立大学と進学し、仕事の内容ではなく職場環境を含めた待遇に惹かれて外資コンピューターメーカーに入社しました。

都会ではどんな仕事を?

約30年、一貫して東京23区にオフィスがあるIT企業の正社員として働きました。外資と内資の企業をそれぞれ3社ずつ経験しました。
外資に在籍した期間の方が長く、外資企業ではシステムエンジニア・プリセールスエンジニア・プロジェクトマネージャーなどを担当しました。
内資企業ではラインマネージャーを経て人事の仕組みづくりにかかわり、人事企画・人材開発・採用の責任者を務めました。

なぜ都会を出たかったの?

一言でまとめると「人生の無駄」が多すぎると感じるようになったからです。それは主に以下のようなものでした。

通勤時間は電車を含めて片道1時間ほどだったので平均的と言ってよいでしょう。電車に乗っていたのはそのうち35分くらいだと思います。ただ、混雑して本を読めるような状態ではなく、乗り換えが多かったために頑張って読書を始めてもすぐに本を閉じなければなりませんでした。帰りの電車は少し余裕がありましたが、それでも毎日々々往復で約2時間「移動するため」だけに費やしていることをバカらしく感じていました。

また満員の通勤電車の中では「表沙汰にならないトラブル」が日常茶飯事です。他人に寄りかかろうとする人・ドア横からどかない人・スマホを他人の顔の前に突き出して平気な人…。さらにはぶつかっただの蹴ったのだの…。でもほぼ全ての人はそれらを我慢して過ごします。そしてそのストレスは「機嫌が悪い」というかたちで仕事やプライベートでネガティブに発散されてしまいます。私の場合はそういった感情を発散することはありませんでしたが、代わりに自分の人生が惨めに感じられ、鬱々とした気分を生じさせました。

加えて夏の暑さです。アスファルトの蓄熱だけでなく、家屋やビルが密集し一斉に使用する冷房の排熱のせいで東京(例えば丸ノ内とか)の夏は平気で日中40度を記録していました。あまりの暑さにせっかくの週末も外出する元気が出ず、家で冷房を効かせてリビングで過ごすようになりました。
住宅ローンを組んで一戸建てを買いましたが、だんだんと何のためにこの家を買い、ローン返済のために働いているのかという疑問が強くなっていきました。

なぜ地方に住みたかったの?

私は海釣りが趣味です。でも週末に三浦半島や湘南の海岸にある防波堤に行っても満員ですし、最近は釣り禁止のところも増えています。ですので私は「自分の船で海上の好きなところで、一人で誰にも邪魔されずに釣りがしたい」という願いを強く持っていました。要は海の近くに住み、釣りができる船を持ちたかったのです。
三浦半島あたりのマリーナに船を持つことができる経済力があれば東京に住んだままでも良かったかもしれませんが、私は普通のサラリーマンでした。また、もし資産があったとしても東京から三浦半島までの道は週末日中渋滞します。一方で三浦半島に住んでしまうと通勤が大変です。その他細々としたニーズがあったのですが、私の釣りについての願いは地方移住することでしかかなえられませんでした。

また家庭菜園を持つことも強い希望でした。これは趣味というよりも食料安全保障的な考えで、自分の食べるものを確保したい、安全なものを食べたいという妻の希望をかなえるためでした。

以上が私が移住を志した理由です。最終的には静岡県伊豆に移住することになるのですが、なぜ伊豆なのか?については別の記事でお話しします。

気になった方は

いかがだったでしょうか。移住を考えている方、キャリアについて悩んでいる方のご参考になれば幸いです。もっと話を聞いてみたいという方は、お気軽にお問い合わせ・ご相談よりご連絡ください。