企業のSDGs取り組みとストレングスファインダー®︎ (目標 5 . ジェンダー平等を実現しよう! 編)

「SDGs/持続可能な開発目標」は、ネットはもとよりテレビやYoutubeでも目にしない日はないほど身近な言葉・概念になりつつあります。そのような状況にキャッチアップしなければと思い、私も今年2021年5月末から6月末にかけて聖心女子大学グローバル共生研究所様主催の「ESD for 2030実践講座2021」に参加し、3日間のワークショップ受講と、約1時間の高校一年生向けワークショップ開催を体験しました(聖心女子大学の永田佳之先生、こども国連環境会議推進協会の井澤友郭先生にあらためて深くお礼を申し上げます)。

ちなみにESDとは「持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)」のことで、SDGsの実現手段のひとつと位置付けられます(https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm)。

今回集中的にSDGsについて学んだことを通じ、企業にとってはストレングスファインダー®︎を適切に導入することがSDGs目標に取り組むことにもなるということに気づきました。つまり企業経営においてSDGs取り組み方法に悩んでいる場合、ストレングスファインダー®︎を正しく導入すれば能力開発による成果が期待できるだけでなく、企業としてSDGsに取り組んでいることをアピールできる可能性があるということです。

対象となり得るSDGs目標はいくつかあるのですが、今回は5番目の目標である「 ジェンダー平等を実現しよう!」とストレングスファインダー®︎の関係についてお話しします。

ジェンダー・バイアス

SDGsには17の大目標があり、その中のひとつが「目標 5 . ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」というものです(参考: https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/ )。そして細分化された小目標のなかに「5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。」というものがあります。ストレングスファインダー®︎はこの小目標への取り組みに有効なツールです。ジェンダーを意識しない自他の捉え方に寄与します。

女性が不平等な立場に置かれている理由はいくつかあるわけですが、ここではジェンダー・バイアスについて考えます。ジェンダー・バイアスとは「女(男)だから」とか「これは女(男)がやることだ」という思い込みであり、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のひとつです。ジェンダー・バイアスを自覚する上で有名な問いがあります。それは

あるとき、父親と子が乗車していた車が交通事故を起こし、父親は即死してしまいました。子は頭を打って意識不明の重体となり、病院に運ばれました。病状は深刻で、すぐに脳切開手術が必要だと判断されました。しかし執刀を担当することになったその病院の脳外科医がその子を見るなり、「この子は私の息子です」と言った』

というものです。
この問いのポイントはほとんどの人が「父親は自動車事故で死んじゃったのでは?何でまた医者として登場してくるの?」と思ってしまうことであり、それは「医者=男性」という思い込みを持ってしまっていることによります。

才能のフィルターを活用する効果

ストレングスファインダー®︎を活用することで、このジェンダー・バイアスを含めたアンコンシャス・バイアスのいくつかを低減することが可能になります。その理由は「才能のフィルター」を通して相手を視ることができるようになるからです。

ストレングスファインダー®︎の活用の基本は「まず自分の才能を理解し、受け容れる。その次は他者の才能を受け容れる」ことにあります。これは、自分の価値観や感情、都合の良い解釈を自他に主観的に当てはめるのではなく、ストレングスファインダー®︎という科学的分析結果を通して客観的に自他を捉えるということです。これが「才能のフィルター」です。

ストレングスファインダー®︎のアセスメントレポートには、ただ「あなたはアイデアが豊富で、次から次へと色々な発想が浮かんでくるという才能を持ち主です」とか「あなたは人の輪から外れている人を見かけると、同じ輪の中に入ってもらおうと自然とふるまう才能の持ち主です」などと分析結果が書かれているだけであり、そこにはジェンダーに関する要素も、特定の職業を示唆するような表現もありません。ですのでストレングスファインダー®︎上位資質という才能のフィルターを通して自他を視ることにより、ジェンダーだけでなく年齢や身体的特徴、趣味・嗜好など、人に対する判断に影響を与えそうなバイアスを排除することができるようになるわけです。

ストレングスファインダー®︎の導入でSDGsへの取り組みを実現

ストレングスファインダー®︎を導入することで生産性やモチベーションの向上が期待できるだけでなく、ジェンダーを含めた様々なバイアスを排除できる可能性が高まります。そして「SDGsに前向きに・自分ごととして取り組んでいる」ことを事実として社会にアピールできるようにもなるのです。
この考え方にご興味を持っていただけたら、ぜひ弊社にご相談ください!